守るべきもの

皆様こんにちは。
梅雨ですね。
梅雨だけど、たまにチラって夏が顔出す感じですよね。
大将、やってる?って。
わたし夏が苦手なので、「準備中」って札かかってんだろ!って言い返してますけれど。
 
 
ここ数ヶ月、歯医者に通っていたんですけれど。
別に調子悪いわけじゃなかったんですけど、なにかで芸能人と一般人の違いは歯の白さだ、と書いてあるのを見て。
そういえば20年前ぐらいに東幹久も芸能人は歯がいのち、って言ってたなって。そういえば隣に高岡早紀もいたな、って。
芸能人じゃないけど、年上の方々が口を揃えて歯は大事にしたほうがいい、って言うし、
芸能人じゃなくてもどうやら歯はいのちなんじゃないかってことに遅ればせながら気づきまして、
ちょっと見てもらおうってことで、最近通ってたんですよね。
 
幸いなことにあまり歯のトラブルは今までなくて、みんなが言っていた親知らずを抜く辛さとかも全然よくわかっていない。
痛いらしいしすごい顔が腫れるらしい、、というのを聞いて知っているだけで
私の奥歯はずっとおとなしく、上司に逆らうこともなくひっそりと席に存在感薄く座っています。
仕事もないからやたらとテプラでシール作ってるみたいなことになっています。
でも聞くにつけ、割と多くの人の奥歯が謀反じゃ〜!ってなってたみたいですよね。
謀反を起こした結果、抜かれるっていうかなり原始的な制圧方法が取られていたことを考えると、
まあテプラ作っててよかったのかな、って思わないこともないです。
すいません、あの、ふつうに、親知らずまっすぐ生えててよかったです。
 
前置きが長くなったんですけどまあそんなわけで近所の歯医者に通うことになりました。
で、かっこいいんですよ、その歯医者が。
前に近所に住んでた友達が、「ちょっとえみちゃんあそこの新しくできた歯医者の院長かっこいいからぜひえみちゃんに行ってみてほしい」と言ってたので、なぜぜひえみちゃんに、なのかは謎なんですけど、そんなこと言われたらそこの歯医者一択ですよね。
で、歯医者がかっこいいと困るっていうことに気づく。
かっこいい人に口の中を見られたくない。
若い頃の宅麻伸みたいな感じで、たぶん年は私と同じぐらいかちょっと上だと思うんですけど。
 
口の中を見られてビビビと来れる松田聖子と私の間には埋められない溝があるなって。
別に埋める気もないのだけれど。
ビビビっていうかカアアですよね。カアア。
 
で、カアアってなりながら宅麻伸に私の歯の状態の説明を受けたわけなんですが。
ずっと知ってはいたんですけど、わたし永遠に永久歯にならない、乳歯のままの歯が1個あるんですね。
 
歯のレントゲンを取るとわかりやすいんだけれど、乳歯ってちょうかわいいの知ってますか。
ねえみんな、乳歯のみりょく、気づいてる?
永久歯ってまじで歯の絵本に出てくるみたいに根っこがシャキーンってなってるんですよ。
なんかすごいわかりやすく悪そうっていうか、オラオラ感がすごいっていうか、ポリエステルのベスト着てそうっていうか、車高低くしてそうなかんじっていうか。
で、私は左下の歯の中に乳歯があるんだけれど、その子がほんとにおぼつかない感じで立ってるんです。
内股で、ぶるぶるふるえながら。
もう強風にあおられでもしたらぴゅーって飛んでっちゃいそうな感じなんですよ。
レントゲンで見ると、オラオラオラオラオラオラちょこんオラオラオラオラみたいな感じで、
オラオラたちに囲まれながらすごく心細そうなんですよ。乳歯が!!!!!
にゅ、にゅうしーーーーーーっ って思わず叫びたくなる。
俺が今行くから待ってろ、な、そこ動くなよ、な、ってなりますよね。
 
で、まあ小さい虫歯をちょっと治したりして、さしたる問題もなく治療が終わりを告げたわけなんですけれど、
治療が終盤になったある日、宅麻伸に「モリヤマさんの目標はこの乳歯をずっと守っていくことですね」と言われたのです。
 
ー突如私にもたらされた、守るべきもの。
 
ー戸惑いはある、不安もある、ひとりで、どうやってこの子を、、?
 
、、だけどせっかく私のところにやってきてくれたにゅうし。
ふしぎ、、なんだろう、この心の奥から湧いてくる力、、
 
っていう謎のシングルマザーとしての自覚が芽生え始めてきちゃって「この子だけは私が、、!」みたいな気持ちになっているわけです。
 
守るべきものがあると人は強くなれると言いますよね。
そんなわけで、最近なんだか周りの景色が違って見える。
 
あと、恋人ができた暁には、割と早いタイミングで乳歯のことを打ち明けないとな、っていう。
乳歯込みで私のことを愛してくれないと私のことを本当に愛しているとは言えないですし、
乳歯の存在をほのめかしたら逃げて行くような男なんてこっちから願い下げですけどね。
なにを言ってるんでしょうね。
 
守るべきものができたその日わたしは、
20年越しにアパガードを使いはじめたのでした。

 

 

マイスウィートおじいちゃん

うちの会社に繊維博士と呼ばれているおじいちゃん(72)がいて、
生地のことなら何でも相談できる偉大な方なのだけど、
なにしろ可愛くて困る。
 
153cmくらいでヨークシャテリアみたいな顔しているのだ。
 
薄くなってしまった髪に、小さいおりぼんをつけたい。
おりぼんつけたい欲求を私が密かに抱いていることを博士は知らないだろう。
 
しかも会社の中に同じくらいの身長のおじいちゃんがあと2人いて、
その3人が集結している場合がまれにあり、
その絵面のかわいさたるや、赤ちゃんが3人集結しているよりも可愛い可能性がある。
 
恵比寿あたりを歩いているとかわいい小型犬をたくさん見かけるが、
そのかわいい犬につながれているリードを辿るとさらにかわいいおじいちゃんにつながっている場合が多々あり、
よくわからないけど油断禁物だと思う。
 
かわいいと思っても、リードの先にもっとかわいいのがくるかもしれないのだ。
 
かわいいテロはいつも、思いもよらない存在によってもたらされる。
おじいちゃんのかわいさの瞬発力は、いつも私を驚かせるのだ。
 
社食で何食べようか、悩んでいる博士を見たりするのが好きである。
とにかくおりぼんをつけたい。

 

伝書鳩と乙女心

先日どういった経緯だったかは忘れたが、会社にて、

30〜40年前まで、新聞社とか、フィルム届けるときとかに鳩使ってたらしいよ。
という話になった。
 
え!
 
ー皆さんは、鳩のことを信用したことがありますか?
 
と、なんとなく、忘れられない恋はありますか?的な感じで己に問うたのですが、
なかった。
いや、そんなに鳩を信用に足る存在として認識していなかった。
 
伝書鳩とか、なんかこう、お願いごとレベルっていうか、
小瓶に手紙を入れて海に流すのと同じ感じだと思ってたんだけど、
全然違うんですね。
届いてほしいけど届いたら奇跡、的な感じだと思ってたんですけど、違うんですね。
打ち明けられなかった恋を空に飛ばすの、的な感じだと思ってたんですけど、冷たい水で勢い良く顔を洗ってタオルでふいて、鏡に向かって
、、ぜったいきれいになってやる。
ってつぶやく的な感じだと思ってたんですけど、違うんですね。
 
 
あの、鳩の足に写真のフィルムを入れるケースを取り付けて、
それを事件の現場から新聞社の本社まで送っていたらしいんです。
 
嗚呼そんな大事なものを!鳩に!
チャレンジャー!この、ミスターむこうみず!
 
ちょっと意味わからないですよね。
もし彼氏に、「これ、鳩で送っから」とか言ったら意味わからなすぎて
「別れる!」ってなるぐらいには意味わからない。
 
あと、フィルム入れるケースとか、つるっとしてそうでしょ。
だから運んでるとき、鳩の足のゆび(ゆび?)、超ガシってなってますよね。
超ガシって、ブルブルってなってますよね。
 
え〜ほんとに?鳩そんなにできる子?のびしろある〜?
 
と、当時、部長あたりは言ったに違いないのだ。
そこでたぶん、イメージ的にはYAWARA !の松田さん的な感じのひとが、
部長!鳩のこと、信じてやってください!俺のことは嫌いでも、鳩のことは嫌いにならないでください!
とかなんとかアツい感じで言って、鳩を飛ばしたに違いないのだ。
すごいなあ。最初に鳩信じたひとすごい。
 
一時期銀座で働いていたときに、よく日比谷公園でお昼を食べていた。
日比谷公園といえば鳩である。
あと、今はそうでもないのだけれど、私が高校生くらいのときまで、仙台のアーケード内にもなぜか鳩がたくさんいた。
したがって、なんとなく昔からぼーっと鳩を観察する機会があった。
 
昔も書いた気がするんだけど、
鳩って、自分があんなにすごい速さで首を動かしてることに気付いてなさそうですよね。
 
人間も、ふだん自然にしてる動きを意識した途端にその動きができなくなっちゃったりしますから、
鳩に至っては、自らがものすごい速度で首を動かしていることに気づいたとき、すごいパニック状態になると思うんですよね。
で、爆発しちゃうと思う。ちゅど〜んって。
だから、鳩を啓蒙させちゃいけないなって、われ首をめっちゃ速く動かしているゆえにわれ進んでいる、的なことを思ったら、
鳩はちゅど〜んってなっちゃう!!だめ!!!って、当時強く思ったことを覚えている。
 
だからね、そんな、フィルムを運ぶような存在だったなんて、知らなかった。
鳩、すでにルネッサンスだった。
 
なんだったら、日比谷公園にいる鳩の、むき出しの感情に若干引いていた。
なんて原始的な存在なんだと、思っていた。
 
太って毛艶がいい男子は、よれよれの鳩から餌を奪い、真っ白で綺麗な女子をドスドスと追いかけている。
その勝者ぶりというか、IT社長感というか、秒速で稼ぐのである。
巣は六本木ヒルズにあり。
よれよれ君は、いつまでも食べられなくて、だからずっと痩せているし毛艶もよくならない。
巣は日比谷公園である。賃貸の巣だ。なに賃貸の巣って。
女子も、真っ白なやつとかはいろんな男子に追いかけられている。
たぶん、南ちゃん的な存在なんだと思う。
真っ白なのに目の下だけ黒い女子(当時の先輩とアヴリルラビーンと命名)とかは周りとあまりつるんでいなくて、
それがまたアヴリルの魅力を高めている。
きっとものすごい年上の鳩と付き合っているに違いないのだ。
 
今思えば、原始的な感情むき出しのところに引いていたのではなくて、
あまりにも人間世界を彷彿とさせるような、その縮図っぷりが23歳ぐらいの私には辛かったのだ。
 
私たちはすぐLINEとかメールで連絡してしまうので、
電話ですら、かかってくるとちょっとどきどきしてしまう。
(ちなみに昨日久しぶりに電話が鳴ったので出たところ母親で、「阿川佐和子ふなっしーの対談を見なさい」という要件だった)
 
電話なんかやめてさ六本木で会おうよ、は、今なら、
LINEなんかやめてさ六本木で会おうよ、だ。
そんなこと言うのは勇気がいるし、言われた日にはちゅど〜んである。
 
LINEじゃ味気ないし、電話するのに勇気がいるなら、伝書鳩がいいかもしれない。
 
忘年会しよう。
 
口実だ。
伝書鳩には、乙女心が詰まっているのだ。たぶん。